【ホテルヘルス(ホテヘル)】
風俗店を規制する風営法はこれまで何度か改正されてきました。詳しい経緯は省きますが、現在、店舗を構える店舗型の風俗店は、ソープにしろファッションヘルスにしろ新規出店がかなり難しい状況にあります。その代わりに無店舗型風俗店は出店のハードルがかなり下がっています。法的にもそうですし、実態的にも新規出店のハードルはかなり低いんですね。資金的な意味でも、あと例えば風俗というと組関係の方々との人脈がいるんじゃないかと思っている方も多いでしょうが、そうしたいわゆる「ケツもち」のいない店もたくさん増えているという話を聞きます。組の方々も細かい店に目をつけるほど暇じゃないのかもしれません。そんな背景もあり、無店舗型の風俗店は、日々新しく出店し、日々潰れていきます。ホテルヘルスという、中途半端な形が誕生したのも、そんな背景を受けてのこと。大阪や東京といった、特に何度か厳しい規制があってファッションヘルスが壊滅的な打撃を受けた地方で、ホテヘルは隆盛してきました。
ホテヘルの仕組み
ホテルヘルスは店舗型ファッションヘルスではありません。まず紹介所のような店舗があって、そこで好みの女性を決めて、指定の料金を支払います。女性従業員がその紹介所に到着したら、一緒に指定されたホテルやレンタルルームに向かい、そこでプレイをするという形が一般的です。中には先に客が先にホテルの一室に入り、後から女性がやってくるという店舗もあります。こうなるとほとんどデリヘルと変わりませんね。受付が店舗で行われるという点だけが唯一の違い。じっさいホテヘルって形態は、中途半端なんですよね。
店舗といっても法的には店舗という扱いではありませんから、例えば法規制で店頭に看板を出すことができない。目印は「18禁マーク」。「18禁マーク」のついたそれっぽい店を見つけたら、そこがホテヘルです。
ホテヘルの基本サービス
ファッションヘルス、デリヘルとまったく同じです。
お店や女の子によってサービス内容は若干異なりますが、キス、乳首舐め、フェラ、シックスナイン、素股は、だいたいどこにも共通する基本的なプレイです。オプションとして、全身リップ、アナル舐め、AF(アナルファック)、コスプレ(イメージプレイ)といったサービスにも対応してくれるお店もあります。
女性が積極的にサービスしてくれるのが基本ですが、女性はただ寝ているだけ、男性がその肉体を好きなように触ったり揉んだり舐めたりする、という「受け身」プレイというのもあります。
要するに、膣への挿入以外は何でもできる(さっきも書きましたが、店舗、女の子によってNGプレイはあります)と考えてよいでしょう。
ホテヘルの現在
当初、ホテルヘルスはデリヘル同様の無店舗型と扱われて営業時間の規制が適用されませんでした。しかし2006年5月に施行された改正風適法により、受付所、無料案内所を店舗とみなされ、店舗型と同様、深夜24時までに営業が制限されてしまいました。また、営業の届出が各都道府県の公安委員会に義務化されて、店舗型ヘルスと同様に出店禁止エリアも定められてしまいました。いわば法の目をかいくぐった中途半端なホテヘルは、その中途半端な形態ゆえに、デリヘルと違って縛りがきつくなってしまいました。しかしよく考えてみると、ホテヘルとデリヘルの違いって、紹介所という拠点があるかないかの違いしかありません。拠点といっても看板が出せるわけでもなく、はたしてどれだけのメリットがあるのか疑問です。そんなわけで一時期店舗型と無店舗型の折衷形態として隆盛をきわめていたホテヘルも、地域によってはほとんど見なくなってしまいました。きっとデリヘル化して生き延びてるんでしょうね。